はじめに
以下のニュースが話題に。
IBMは消費者にキャッシュバックを提供している楽天のウェブサイトとモバイルアプリが自社技術を無断で使用し、特許4件を侵害しているとして提訴した。
同訴状はアメリカのデラウェア州に提出されたということで、どうなるのか。
IBMは、約6年にわたりライセンスに関する交渉を試みてきたが、楽天側が「あらゆる意味ある議論への参加を絶えず拒んできた」と主張。
これが本当ならIBMは気の毒な気がします。そして以下は私の深堀りした感想。
思い出すのは
数年前、共同購入型クーポンサイトを運営する米Grouponのオンラインビジネスが同じくIBMの特許を侵害しているとして提訴。構造も同じでIBMが保有する技術のライセンス供与に向けた話し合いに一向に応じようとしなかったことが引き金。
そして結果は「GrouponがIBMの所有するEコマース関連特許を侵害したことを認め、IBMに8250万ドル(約91億6200万円)を支払うよう命じた」という事実。
ちなみに具体的には「シングルサインオン」技術やサーバの負荷を軽減する仕組みなどの特許侵害があったんだとか。
Amazonは特許を払っている
おもしろいのはIBM曰く「Amazon、Facebook、Googleは2000万~5000万ドル(約23億~56億円)でEコマース技術を含む特許をライセンス費用」を払っているという話。
IBMの広報は「IBMは、研究開発に年間6000億円を投資し、社会のためのイノベーションを生み出している」と言いますが、ここに楽天がタダ乗りをしたのなら、訴えられても仕方がなくグルーポン同じく今回も負ける気がします。
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終わりに
私も技術畑なので、特許侵害なんて別にいいじゃん~とは思えずそこはきちんとルールに則って対価は支払うべきだと思ってしまいます。逆に楽天側にも「お前の技術なんて使ってねぇよ」と勝算があるのであればあとは裁判の結果待ちになりそう。
個人的には楽天は応援していましたが、ゴールドカードの改悪や楽天モバイルの赤字ラッシュなど少し心配になることも。日本郵政との提携という明るいニュースの裏で、ネガティブなニュースが出たのは残念ですね。