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【将棋/藤井聡太】「4一銀は人間では打てない」と言われるくらいにAIは強くなったんだなぁ

はじめに

プロ棋士の藤井聡太二冠が、第34期竜王戦2組ランキング戦の準決勝で松尾歩八段と対戦。
結果は75手で藤井二冠が勝利しましたが、藤井二冠の「▲4一銀」という神の一手が飛び出して話題に。

以下はそのニュースの解説と私の感想です。

なぜ神の一手と呼ばれた?

その盤面は以下。
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将棋を知っている方であれば迷わずに8四飛と敵の飛車を取る形を選びます。そしてそれはプロ棋士も同じ。

が、コマをタダで捨てているように見える銀打ちを藤井聡太さんは選択

ここでおもしろいのは、藤井さんがすぐに飛車を取らずに考え込むと本局を中継していたABEMAのAIが予測した最善手に謎の▲4一銀が表示されていました。そして見ていたファンが盛り上がります。まさか彼はこの手を検討しているのでは?と。

結果的に藤井さんは1時間の長考の上で、AIが出した謎の一手と同じ手を選んだんですよね。

結論から言うと、この手は確かに妙手で敵の駒を捨て駒によって動かすことで結果的に攻撃を有利に運ぶ最善の手でした。

勝利後のインタビューにて藤井さんは「▲8四飛、△7八馬のときに詰めろをかけたいが、▲3四桂や▲7五桂は際どいが詰めろになっていない気がした」と飄々と語りますがまさにその通り。実際、▲4一銀を打って勝利を掴み取る。すごすぎる...

感想

AIが最善手と示した手を藤井さんが打った時、解説の二人は「打ちましたね..」「4一銀なんですね...」と言って笑うシーンも素敵。
この手はプロ棋士からも感嘆の声が多く上がっていて、とある棋士はツイッターにて

人間は▲4一銀打っちゃいかんだろ...

とツイートして話題になっていました。

過去にはAIですら予測できない手を打つことが将棋の盛り上がりポイントでしたが、今やAIが提示した一見奇妙な手を人間が指すことで感嘆があがる時代になったんだなぁ~となんとも感慨深い気持ちに。

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天才達がパソコンに敗れるという時代に少し悲しさも覚えますが、今回の盛り上がりはAIが最善手を見つけてくれたことに端を発したものであるのも事実なので、改めておもしろい時代ですね。