はじめに
Netflixのオリジナルコンテンツとして公開されている「浅草キッド」
幻の浅草芸人と呼ばれた深見千三郎の下で修業を始めたタケシ。やがて苦境に立たされる師匠と対照的に、タケシは人気を博してゆく。芸人ビートたけしの誕生秘話
同作は、劇団ひとりさんが監督を務めてビートたけしの自叙伝「浅草キッド」を映画化。特にCMがかっこよくて興味があったので、内容を知らない状態で見てみた感想をネタバレありで書いてみました。
芸事
冒頭、若手のビートたけし(役:柳楽優弥)がお酒の席で漫才を披露するもお客様は女性に夢中で大盛りあがり。
するとたけしが「黙って聞いてろバカ野郎」と客をシーンとさせ、お客の「なんなんだよお前」という絡みに「芸人だよバカ野郎」と啖呵を切るシーンで始まります。
しかし二人は売れない芸人な模様で、相方のキヨシ(役:土屋伸之)に「いっそフランス座戻ってみる?」と言われるとテロップには”2年前”と入って過去シーンに突入します。
そこには深見千三郎(役:大泉洋)という大師匠がいるフランス座というストリップ劇場があり、ストリップの合間にてコントのようなものが行われています。そこのエレベーターボーイとしてたけしは働いていますが、同じく踊り子として働いているのは千春(役:門脇麦)という綺麗な女性と遭遇。千春は歌がうまいので、それをたけしが褒めるも「やらせないよ」とつれない一言で突っぱねます。これは早くも大人な内容!
たけしが舞台に立ちたがっていることを知っている同劇場のおばちゃんは、深見にたけしを紹介します。
そこで以下のやり取り。
何ができんだよ?(深見
いや、特に(たけし
悪いけどな、他あたんな(深見
師匠のコントが好きなんです(たけし
最後の言葉が嬉しかったのか、深見はエレベーターでタップダンスを披露した上で「これが芸事だ。本気でやりてぇなら教えてやるよ」とたけしに伝えました。かっこいい大人だ...
芸人の心得
たけしは屋上でタップダンスを練習していると、それを見た千春が「様になってきてんじゃん」と声をかけてきます。
それに対してたけしが千春の歌を褒めるも、「いくらでもいるよ、こんなの」とこぼし、「タケはいいね。これから始まるんだもんね」と続けます。しみる言葉・・・
場面変わって、たけしが穴埋めで舞台に立つことになった際、ホステス役として急いでおもしろ化粧をしていると、深見は「芸人なら芸で笑い取れ。笑われるんじゃねぇぞ、笑わせるんだよ」と一喝。
そして、深見とたけしは舞台にたちますが、たけしの下手な芝居に拍手をした客に深見はつっかかり、それに反論する客に「芸人だよバカ野郎。芸を見せてやってんだ。黙って見ろ」と深見は言い返しました。冒頭のたけしの反論は深見の受け売りなんですね。
フランス座がピンチ
テレビや漫才に客を取られてか、フランス座には最近人が入らず、同劇場にて作家志望の井上(役:中島歩)は「時代はテレビ」とぼやくシーン。その流れでたけしはここで「人生切って芸人としてやっていこう」と決めて浅草に来たと語ります。そして、二人はそのまま浅草寺にお参りにいきました。ここで「人の金で神頼みするか?」と井上が突っ込むシーンが青春ですね・・。
そんな深見はたけし達を気にかけているようで、同棲している劇場経営者の真里(役:鈴木保奈美)にお金を手渡されて奢りにいこうとします。深見はお金で苦労をかけている真里に謝り、なんか買ってくる?と気を使うと真里は「ミンクの毛皮」と即答。それに「みかんの皮」と返すシーンには爆笑。
深見は偶然を装い、「ちょうどよかった。飯でも行くか?」とたけしと井上を誘ってご飯に行きました。いい兄貴肌だなぁ...
終わりに
フランス座の人気コント師、深見とたけしの出会いが前半パートのメインでした。
ここで登場する深見は、街の人から慕われている様がよく分かり、ポリシーもかっこよくてそれこそ「粋」な人だな~という演出でした。
一方でお金周りで苦労している様が節々に描かれていて、これが実話ということもあってなんとも苦しい・・と思いながら見ていました。