はじめに
科学雑誌ニュートンに面白い心理学の実験結果が載っていたのでかいつまんで紹介します。
要点としては、自分の過去の言動を無意識に納得しようとする心理的バイアスがあるという話。
実験の流れと結果
1959年に心理学者フェスティンガーが行った実験は以下。
- 被験者を二つのグループ(報酬額1ドルor20ドル)
- 机の上に置かれているものを移動させる明らかに退屈な単純作業を被験者にさせる
- 作業を終えると次の被験者に嘘で「面白い作業だった」と伝えさせる
- 後日実施した作業の面白さを評価してもらうと報酬額が少ないグループは「あの作業は面白かった」と言う傾向が高い
要は、本当は退屈だったとお金をしっかりもらったグループは正直に言うのに、お金が少なかったグループは「あの時次の人に言った通り本当に面白かった」と言うという。
なぜそんなことが起こるのか?
自分を正当化したい
参加者は 本当は退屈だったのに面白かった と嘘をついたことで参加者には 認知的不協和 と呼ばれる状態が生じます。これを解消するにも、言ってしまった事実は変えられない。よって無意識的に 自分の考えの方を変える ようになるんだとか。
じゃあなんで金額をしっかり貰った方はそうならないのか?
それは高い報酬をもらったことで「あそこで嘘をついたのは高いお金をもらう条件だった」と自分の中で割り切ることができるから。お金をもらえていない人は割りに合わない嘘にそれでは納得できないんですね。
終わりに
おもしろい。
雑誌の中で少しぞっとする表現があったのは
不当に低賃金で労働環境が厳しい職場で仕事にやりがいを見出そうとしてしまうのはこの実験そのもの
という文章。
自分が変なところで正当化しようとしていないか?これを客観的に見ることは大事だな〜と思った話でした。