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(映画)ホテルムンバイがイマイチだった件

以下があらすじ。

『ホテル・ムンバイ』(原題:Hotel Mumbai)は、2018年制作のオーストラリア・インド・アメリカ合衆国のスリラー映画。
2008年に起きたムンバイ同時多発テロの際、タージマハル・ホテルに閉じ込められた500人以上の宿泊客と、プロとしての誇りをかけて彼らを救おうとしたホテルマンたちの姿を描く。R15+指定。

内容としては大変興味深く、実話ということもあり心が揺さぶられる箇所がありました。
が、総論として映画としてはあまりおもしろくなかったです。以下、つらつらと感想です。

ネタバレあるので閲覧にはご注意ください。



物語はイカダにのった少年たちのシーンから始まります。彼らがいわゆるテロリスト、少年です。

2008年11月と表記されることから、リアリティをもって見ることができます。

駅のトイレのテロシーン、少年たちはマシンガンをぶっ放します。なるほど、これはR15+だ...といった無残なシーン。

場面変わって、ホテルのシーン。靴を忘れたホテルのスタッフは、料理長に帰れと一喝されます。が、妻が臨月なんです...と懇願。結局、働かせてくれます。いい人なんだな、と伝わるシーンでした。

そしてホテルのスイートに泊まる二組が登場。一組のロシア人?は明らかに嫌な奴といった感じで描かれていました。

そこでホテルでもテロが起きます。
少年は司令塔のような大人と電話で会話しますが、「奴らは人間じゃない」とささやかれます。うーん。リアル...

物語の主人公であるホテルの従業員をさっきの料理長が束ねます。
で、帰りたいものは帰ってよい、と伝えます。家族もいるだろう、帰ることは恥ではない、と。

命を惜しむスタッフは帰りますが、大多数は残ります。

うーん、自分がスタッフだったら真っ先に帰りそうです。そこは契約範囲外です、みたいな。
もちろんお客様は大事ですけど、命を張れるかと言われると正直怪しいです。史実として亡くなった数の大半がホテル従業員だったことを考えると目頭が熱くなります。

ホテル従業員以外にも、地元の警察が軍隊が来る前に4人で乗り込みます。彼らもまた、正義感から職務を超えてテロに立ち向かいます。

ホテルの中では、滞在客を一人一人殺すために、フロントの女性に部屋に電話をかけさせ、出てきたところを殺害するシーン。

フロント女性がためらうと、テロリストに迷うことなくフロント女性は撃たれてしまいます。救いがない....

ホテルの乗客は逃げながら安全な部屋に通されますが、そこに手負いの女性が。
「看護師や医師はいませんか?」と飛行機でよく見るシーン。こういう時に力になれるのはやっぱり医療従事者なんだな、と素朴に思いました。

一方的にテロリスト達がひどいと思わせつつも、その中の一人が父親と電話をします。

ちゃんと首謀者からお金を受け取ってね!と泣きながら家族思いの一面を見せます。
そうなんですよね、彼らには彼らの正義があって、そこには同じように家族を大事にする一人の人間なんですよね。その愛を利用し、憎しみを異教徒に向けさせることで利用されている子供を、見ていてもやもやします。

人質になったスイートクラスのロシア人も、やりとりを通じて男気のあるただの嫌な奴じゃないことが伝わるシーンがあったり、みんなそれぞれ色んな人生を歩んでいるんだな、と考えさせられます。

テロの首謀者は少年たちに言います「ワシントンに悲鳴を聞かせてやれ」。このあたりのアメリカとイスラム圏の対立は、本当に根が深い。

最後は特殊部隊が入り、テロを鎮圧します。こういった専門的な訓練を受けている人が如何に強いか、スペシャリストかをまざまざと見せつけられます。

最後に、無事にホテルは復興し、テロとの戦いとのシンボルとして営業しています、とハッピーエンドでしめくくったつもりかもしれませんが、救いがないこの話にもやもやしたまま劇場を後にしました。

ホテル従業員の自己犠牲は、本当に尊いんですが、なんというか、ドキュメンタリーをただ見ていたような、そういった印象でした。そこに何か一貫したものを受け取れず。

うーん、評価はかなり高いので、私の器量が低すぎてこの作品を消化できていないだけなんですかね?

とにかく、難しいテーマでした。