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【シャルリーエブド】ムハンマドの風刺画の問題があまり分かっていなかったので整理した

はじめに

少し昔の話ですが、2015年に以下の痛ましいニュースがあり

2015年1月7日11時30分 (CET) にフランス・パリ11区の週刊風刺新聞『シャルリー・エブド』の本社にイスラム過激派テロリストが乱入し、編集長、風刺漫画家、コラムニスト、警察官ら合わせて12人を殺害した事件

雑誌編集長がテロで殺された..ということが『言論に対する攻撃』という解釈と共に世界が震撼しました。

これに伴いフランスでは

テロリズムに抗議し、表現の自由を訴えるデモがフランスおよび世界各地で起こり、さらに報道・表現の自由をめぐる白熱した議論へと発展した。

というのがニュースの大筋ですが、もともとのきっかけである「フランスの雑誌側は何をしたのか?」というのを含めて改めて整理していました。

事件の背景

きっかけとして、同社はイスラム教に対する風刺画として

2006年に「原理主義者にお手上げのムハンマド」と題したカビュの表紙画には頭を抱えるムハンマドが描かれ、吹き出しには「ばかどもに愛されるのはつらいよ」と書かれていた。

というものを発表していました。つまり、イスラム教の神が現代のイスラム教徒を「バカ」として捉えているはず..というメッセージですね。

この件に関してフランス政府はむしろ雑誌社に対して批判的であり、フランス政府はシャルリー・エブドに対してこのようなメッセージ性のある表現に対して自粛要請を行っていました。

しかし、シャルリー・エブドは「表現の範囲」という観点で相変わらずイスラム教徒に関して挑発的な風刺画を掲載し、2013年にはムハンマドを漫画で描いた『ムハンマドの生涯』という書籍を発売。これまたイスラム教徒からするとヘイトを集める流れだったようで、全体としてフランス国内で攻めた行動をとっていた模様。

そして、2015年。イスラム過激派テロリストはこれらを看過できないと、強行な報復としてテロ活動に至ったわけですね。

背景を知った上で思うこと

フランスはもともとイスラム教徒の方も人口割合としては多いということもあり、非イスラム教徒の方からすると日常的に何か不満や差別の心があるのかもしれません。日本にいるとそのあたりの感覚はピンときていない・・という大前提を持ってしても、やはり他者をリスペクトする姿勢というのは大事ではないのかな~と思いました。

イスラム教徒にとってムハンマドを雑に扱う演出がどの程度に腹立たしいのかは分かりませんが、例えばそこまで宗教心がない日本人にだって親族をバカにされたりすることは『自分をバカにされるよりも許せない』という感情を持つ方もいると思います。

というわけで、よっぽどの理由がない限りは「相手が大事にしているものは自分から見たら大事ではなくてもないがしろにしない」という原則は余計なトラブルを避けるために必要ですね。

終わりに

フランスでは人口約6700万人の7~9%に当たる500万~600万人がイスラム教徒とのこと。
一方で日本は人口に対する比率は0.1%以下なので、この手のニュースには関心がない人も多いですが、せっかくなので改めて同ニュースとそこから学べることを考えてみました。