オンキヨーの上場廃止
以下のニュースが先日公開され、現状の株価は5円まで落ちています。
オンキヨーは2020年3月期に債務超過に転落。上場廃止を回避するためには21年3月末までに債務超過を解消する必要があった。取引先が持つ債権の株式化で債務を圧縮したが補えず、頼みの綱だった英領ケイマン諸島の投資ファンドと直前まで協議を重ねたものの、期待した金額を調達できず、3月31日に「誠に遺憾ながら、上場廃止基準に抵触する見込みとなった」と発表した。
本記事では数円の株であれば1万円もあれば数千株買えるので、「持っておきたい」と一瞬思った方向けにそうすると何が起きる可能性があるのかを説明します。
参考になるのはタカタの株
株価が数円の攻防をしていたエアバッグのタカタは、同じく債務超過で上場廃止。
タカタのような上場廃止した株を持っていると何が起きるかというと「どこにも売れない株」が残ります。
しかしポイントは、上場廃止したとしても債務超過ではない場合は「株式を証券会社で売り買いはできないものの」再上場すればその株は自分の持ち物なのでまた売り買いできます。
実際、スカイマークなどは再上場があり得る期待もあったため上場最終日の引け値は14円という高値で上場廃止になりました。そして実際、2022年に再上場の可能性があると示唆されているので、もし再上場すれば当時株を握っていた人はその株を売り買いできます。
キーワードは「減資」
一点注意しておきたいのは「上場廃止した銘柄を持っていたとしても再上場した時にその株が売り買いできる保証がない」ということ。
というのも例えばJALは一度上場廃止後に再度上場しましたが、上場廃止後100%減資をしたので既存の株主の権利は紙くずになりました。この「100%減資」というのは強烈なキーワードで、この手の話題をするとかなり重要な用語。それをされると万が一再上場したとしても既存株主の保有する株式の価値はなくなるため手元には売り買いできる株は残りません。
そして100%減資は債務超過した会社の再建のために既存株主の保有する株式をゼロにするという合法的荒業。オンキヨーもこれになる可能性が高いと見られているので今後は0円に向けたデイトレードのようなチキンレースが待っています。
終わりに
上場廃止になった株を持っていると、再上場した時に使える可能性があります。
ただし、債務超過した企業は100%減資をする可能性があるため、その株を握る場合は紙切れになる覚悟は持っていないといけない。
昔は紙の株券だったこともあり、「倒産株マニア」と呼ばれる人達がボロ株をあえて買っていたそうですが、今は単なる電子ゴミ。
そういう意味で、手を出す際は売り抜けることを目指しながらも最悪は消えることを覚悟する必要がありそうです。