はじめに
第61局"桑原本因坊"という回にて「ここに来るのは大学ん時の名人戦以来だな。会社勤めも3年で飽きた。そろそろ碁も恋しくなってきたし...」と余裕の門脇がつぶやくと、シーン変わって和谷と伊角が「カドワキって何年か前、学生名人/学生本因坊/学生十傑の3冠取ったっていう門脇?」「伊角さんよく知っているね」と話すシーンがあります。
そこから続く第62局"私が打っても?"が神回なのでそのネタバレ感想記事を。
ちなみに単行本だと8巻に当たります。
門脇VS佐為
冒頭、誰かと電話をする門脇は「だから言ったろ、プロ試験受けるって」と言いながら「来年はプロ棋士になってるからよ、今のうちならサインしてやってもいいぜ」と余裕綽々。
そこにネット掲示板だけでカドワキが参戦すると知っていて顔を知らない和谷は、門脇本人を目の前に「門脇、要注意だな」と伊角に言います。それに「期待してやがる、俺に」とさらにご機嫌になる門脇はプロになる日を想像しながら扇子を購入。
そんな中、ヒカルを見つけた門脇は「院生かい?少しウデに覚えがあるんだ、一局打ってくれない?」と勝負勘を取り戻すために勝負に誘います。一瞬嫌がるヒカルですが、佐為が最近打ててなかったことを思い出して『通りすがりのような一局だからお前が打っても問題ないだろ』と打たせてあげます。
ヒカルは『長考は無しだぜ?暗くなる前に帰りたい』と言うと佐為は真剣な眼差しになり,
結局門脇は冷や汗をかきながら「負けました」と力の差を見せつけられて敗北宣言。勝利した側のヒカルは『つえ~よ、この人』と門脇の強さを理解しますが、門脇は門脇で「お前、本当に院生か?歳は名前は?」とヒカルの強さに驚きます。
ヒカルはバレないように質問は無視していそいそと逃げますが、門脇が言った「碁を始めてどれくらいになる?」という質問に「千年」と👍の指で伝えると、背後の佐為も同じ表情同じポーズ。
門脇は先程の慢心しきった表情から一点して厳しくも優しい顔になり、かかってきた電話の相手に「一年鍛え直す。」と言い、「本気でやるんだ。本当に本気で」と続けました。
思ったこと
この「千年!」と返すシーンが最高で、佐為が千年間亡霊として存在してきたことはヒカルしか知らないのにそれを口に出すという読者だけが痺れる展開。
ヒカルの碁において「1000年」というのはキーワードで、以下の回でも「千年の答え」というタイトルがついていたりします。
ちなみに、門脇は一年後に再登場し、その時には佐為が消えていたため門脇VSヒカルが対局。
ヒカルは勝利するも、何も知らない門脇は口を濁しながらも”以前の方が強かった”と呟き、慌てて「気にしないでほしい」と気遣う門脇にヒカルは笑顔で「ううん。俺もそう思う」と返すというこれまた神回もあったり。
終わりに
ピンポイントにしか出てこないにも拘わらず印象に残るシーンに登場している同キャラ。
ヒカルの碁キャラランキングなどを見るとやはりランク外の門脇ですが、個人的にはかなり好きな人物です。