はじめに
2012年にフジテレビで放映された「ザ・ノンフィクション」という番組で扱われた岩手高校将棋部の物語。
不意に目に入って見てみると何とも言えぬ感動と「事実は小説より奇なり」を地で行くストーリにしびれて感想記事を書いてみました。
ちなみに筆者も将棋はたまにアプリでする程度には好きです。
冒頭から引き込まれる
サンサーラが裏で流れながら背景黒に白文字で「偏差値を超える!」という文言。
タイトルは「偏差値じゃない ~奇跡の高校将棋部~」
宮崎あおいさんのナレーションで全国高等学校将棋選手権の様子が映し出され、灘やラ・サール、筑駒という錚々たるラインナップの中で「超有名校に互角以上に渡り合っていた高校があります、岩手私立高校。」という語りの上でメンバーが映ります。学校の偏差値は47なのに、エリート進学校を蹴散らしている実績。
そんな高校にいる天才中川くんや努力の細井くんを軸にして物語が進みます。
今回は中川くんのストーリーを紹介しますが、細井くんの方も同じくらいに熱いドラマがあるのでそっちはぜひ見て欲しい...
中川くんの決断
中川くんは将棋部でも別格級に強く、高校4冠と呼ばれるうちの3つである
- 全国高校将棋竜王戦 優勝
- 全国高校将棋新人大会 優勝
- 全国高校将棋選手権 団体優勝
を既に経験済で残すは「全国高校将棋選手権 個人優勝」だけでした。
4冠を達成すれば史上初の快挙で周りはソワソワしていますが、本人はそれに関心がない模様。
そして、この全国高校将棋選手権は個人か団体戦しか出れないものの、本人は「団体で勝った時の喜びが大きい」と個人戦ではなく団体戦に興味を示していました。
顧問の先生は「なぜあいつは周囲の期待に答えないか?」と理解に苦しみますが、中川くんの母親と会話して視聴者には以下が明らかになります。
- 中川くんの父親は中川くんに将棋を教えていて夢はプロの棋士に育て上げることだった
- 当時から強くて小さい頃から将棋大会に出ていたが道半ばで父親は若くして死亡
- 12歳で奨励会に向かうも、そこで力の壁を感じて挫折し将棋に本気になれない日々があった
母親は中川くんが個人戦に出ない理由を「一か八かのものに懸ける、そういう自信がないんじゃないですか。」と分析します。うわー、めっちゃ分かる。
先生は悩みながらも「お前、もし選手権の個人獲ったら全部じゃん。今年どうするかは結局俺じゃ決めれない。どっちに出るか、あとはお前が決めてくれ。」と託しますが「やっぱり団体の方が楽しいか?」と聞くと「まぁ...」と中川くんは返事。テロップには「果たして先生の思いは届くのか?」と入り、先生も「ちょっと分かりませんな...」と手応えがなさそう...。
そしていよいよ、団体戦を取るか個人戦を取るか....。後日、中川くんは決断します。
教室にいる先生に中川くんは「個人戦で出ます」と一言。そんな決断に先生は嬉しそうな顔を見せます。
個人戦の結果は・・?
ここでテロップと一緒に”FUNKY MONKEY BABYS”の「明日へ」が流れます。テロップは以下。
亡き父と二人三脚プロを目指した日々
本気で闘って敗れた挫折の記憶
仲間と楽しく将棋を指せればいいと現状に甘えていた自分
そして....なんと...
本当に優勝して史上初の「4冠」を達成しました。
なにこの漫画みたいな展開....と号泣。
終わりに
細井くんの物語や大学生も混じった団体戦など、見どころが最高でしたが、個人的には中川くんが「個人戦で行く」と伝え、有言実行で優勝をしたという事実になんとも言えない感激をしてしまいました。
最後は「全力少年」をBGMに締めのナレーション。
「年を経てふと振り返る10代の頃、あなたは何を夢にどんな悩みを抱えてましたか?」という問いに向き合いながら、当時高校生の青春を見て終始感動しました。
