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【メルエムvsネテロ戦】飛車角落ちと言ったところだなという名言

はじめに

ハンターハンターのキメラアント編、話数でいうと290話。ハンター協会会長のネテロとキメラアントの王(メルエム)が戦闘に入るくだりがありますが、その最後のページはメルエムの「飛車角落ち」と言うシーンで締まります。

この部分、キメラアント編の中でも特に好きな掛け合いなので同シーンの流れと感想を書いてみました。

このコマまでの流れ

このシーンより前ですが、王(メルエム)とコムギという少女がボードゲームをしている際、名前を聞かれて困惑するシーンがありました。メルエムは自分の側近である周りのキャラ(ピトー,ププ等)には名前があるのに自分にはないことに違和感を持ち、それを漏らすも側近達は”王が名前みたいなものですよ~”と返答。しかし、メルエムはそれに心底納得せず。

そんな場面の後、王VSネテロの試合が始まります。

しかし、メルエムは戦いではなく話し合いをしたいとネテロの先制攻撃に反撃せず「其の方が余と交わすことが叶うのは言葉だけだ」と一言。

ハンター協会からキメラアントの殲滅を任されているネテロは『産まれたてのガキが。それができれば苦労はしねぇ』と立場上、メルエムと話せないが故の葛藤を感じます。

そんな時、ネテロは『....まてよ?言葉...か。』とメルエムの興味を察し、「王よ。自分の名を知りたくはないか?」と提案。それに対してメルエムは真剣な表情で「なぜ貴様が余の名前を知っている?」と乗ってくるシーンでネテロの口元がニヤリします。こっわ...

そこでネテロは部下がメルエムの母親(女王蟻)の臨終に立ち会っていたことを伝え、「ワシに負けを認めさすことができれば教えてやらんでもないぞ?」とメルエムを挑発。

そんなネテロにメルエムは半ばあきらめに近い表情を浮かべながら「殺さず、気の済むまで、か。飛車角落ちと言ったところだな」と言い、戦闘ポーズを取って「まぁ、すぐに詰んでやろう」と続けて290話は終わります。かっけ~~

感想

軍儀中にコムギが「総帥様のお名前は?」と問い、それに答えられないメルエムは困惑する表情を見せていました。
このあたりから王はただの殺戮マシーンから人間に近い情緒を見せ、むしろネテロよりも主人公のような立ち位置になっていきます。

ネテロとの会話を受けてのタイトルのセリフですが、将棋の世界にて”ハンデを与えるために強い駒である飛車と角行を盤面から取り除いて試合をする”ことを”飛車角落ち”と言います。

今回使われた「飛車角落ち」の心は、「ネテロ程の念の使い手を殺さず降参させる難しさ」を表現しています。ちなみに結局はネテロに”メルエム”という名を教えてもらうも、ネテロの自爆に巻き込まれて戦いは終わります。

メルエム「飛車角落ちと言ったところだな」

終わりに

この言葉に返す流れでネテロが発した「詰めるもんなら詰んでみな」も同じくかっこいい。
ネテロの自爆からメルエムは記憶を失うもとあることをきっかけにコムギを思い出し、完璧なエンディングにむかっていきます。

最初は胸糞の悪いキャラでしたが、いつの間にかメルエムに感情移入をさせられる展開が続くという衝撃。改めて「キメラアント編」はHUNTER×HUNTERの最高傑作章だな~と思っています。