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【愛されるから強いのか,あるいはその逆か】JRAが出したビワハヤヒデのCMが熱い

はじめに

ビワハヤヒデとは日本の競走馬で、1992年に中央競馬でデビュー。
当時はナリタタイシン、ウイニングチケットと共に頭角を現していて、頭文字を続けた「BNW」と呼ばれる三つ巴の関係だったんだとか。ビワハヤヒデは最終戦の三冠である菊花賞を制し、1994年には古馬(5歳以上馬)最強馬として天皇賞(春)、宝塚記念を優勝。しかし同年、ナリタブライアンがクラシック戦線で圧倒的な強さを見せたあたりでビワハヤヒデが故障し、惜しまれがらの引退。

デビュー以来の15戦連続連対(2着以内)はシンザンに次ぐ中央競馬史上第2位の記録で、1993年度にはJRA年度代表馬にも選ばれました。

そんなビワハヤヒデの宝塚記念がJRAのCMの題材になるも、そのナレーションが最高なので紹介します。

宝塚記念のストーリー

93年に年度代表馬に選出されて迎えた1994年。
過去最高の負担重量となる59kgになりますが、最初のレースをGIIにて2着に7馬身差をつけて圧勝]。

次走の天皇賞(春)でも有力馬の欠場もあって単勝オッズは1.3倍の圧倒的な1番人気で優勝。この前週にナリタブライアン(同じくパシフィカスから生まれた弟)が皐月賞をレコードタイムで制していたため、ゴール前では「兄貴も強い、兄貴も強い、弟ブライアンについで兄貴も強い」と実況したようです。

そして春のグランプリ・宝塚記念でも有力馬の欠場。圧倒的1番人気。
2着のアイルトンシンボリに5馬身差をつけ、2分11秒2という芝2200メートルの日本レコードタイムで優勝。その時のCMが以下。

JRAのCM

ナレーションは以下。

94年 宝塚記念
ファン投票で集まった148,768の期待。
その馬にとっては、重圧ではなく自信だった。
愛されるから強いのか?あるいはその逆か?

五馬身差の余裕、ビワハヤヒデ。
真の強さはスリルすら拒む。

宝塚記念はファン投票で出走馬を決めるレース。
そこで一番投票を集めることを「その馬にとっては、重圧ではなく自信だった」と語り、「愛されるから強いのか?あるいはその逆か?」という問いかけを視聴者にします。

このクエスチョンがうまくて、普通に考えると「強いから愛される」んですよね。
でも、あえて「愛されるから強いのか?」と言い、過去に圧倒的な一番人気に応えて勝ちきった菊花賞を例に言い回し、「真の強さはスリルすら拒む」と宝塚記念のレースがダントツで見応えがないものになったことをカッコよく表現する。

「強いから好きなんでしょ」という冷めた意見をあえて逆から問うフレーズにいいCMだなぁ...としみじみしました。

終わりに

年度代表馬を見ると以下のラインナップで、オグリキャップとナリタブライアンの間にいる馬だったんですね。

1990年 オグリキャップ 牡5 5戦2勝
1991年 トウカイテイオー 牡3 4戦4勝
1992年 ミホノブルボン 牡3 5戦4勝
1993年 ビワハヤヒデ 牡3 7戦3勝
1994年 ナリタブライアン 牡3 7戦6勝

当時の私はこのCMを見るまではビワハヤヒデという馬は知りませんでしたが「愛されるから強いのか あるいはその逆か」というフレーズが妙に頭に残り、いつの間にか馬の名前までしっかり覚えてしまいました。

改めて、この頃のJRAのCMは最高だったなぁ...。