はじめに
「スミス氏の子供たち」や「シングルマザーの子供」といった出題のされ方をするユニークな問題があり、これがまた不思議な問題なので取り上げてみました。内容としてはモンティ・ホールに似ていますが、個人的にはそれよりも納得しづらいと思います。
モンティ・ホールは以下。
プレーヤーの前に閉じた3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。ここでプレーヤーはドアを変更すべきだろうか?→変えた方が良い
スミス氏の子供たち
問題は以下。
婚活パーティで出会ったシングルマザーの女性に「お子さんは何人いますか」と聞くと「2人います」と答えた。
さらに「女の子はいますか?」と聞くと「ええ」と答えた。このときもう一人の子供が女の子である確率は?
マッチングアプリで知り合った女性との初デートで、彼女は女の子を連れてきた。
彼女のプロフィール欄には子供が2人と書かれていた。このときもう一人の子供が女の子である確率は?
直感的にはこの2つの問題は「少なくとも一人女の子がいる」ということしか分からないので同じ条件のように見えますが、実は答えの確率が違うという話。・・・
なぜ違うのか?
子供の性別は50%で男性、50%で女性だとすると二人の子供を持つ女性を集めるとそれぞれ25%で以下のようなパターンがあります。
- 一人目 男 二人目 女
- 一人目 女 二人目 男
- 一人目 男 二人目 男
- 一人目 女 二人目 女
一問目は「女の子はいますか?」と聞くと「ええ」と答えたのでこの女性は以下の三パターンのどれかということに。
- 一人目 男 二人目 女
- 一人目 女 二人目 男
- 一人目 女 二人目 女
であれば、姉妹である確率は1/3になります。
では二問目はなぜ違うのか?
下記のパターンがそれぞれ等しくあるとして
- 一人目 男A 二人目 女B
- 一人目 女C 二人目 男D
- 一人目 男E 二人目 男F
- 一人目 女G 二人目 女I
4人の男の子(A/D/E/F)と4人の女の子(B/C/G/I)がいる部屋があるとします。
そのうち、「彼女が連れてきた女の子」がB/C/G/Iのどれかとした場合に、その子に姉妹がいるかどうかの確率が今回の問題。
連れてきた子がBの場合→姉妹X
連れてきた子がCの場合→姉妹X
連れてきた子がGの場合→姉妹O
連れてきた子がIの場合→姉妹O
なので確率は1/2になります。
要するに「娘を一人でも持つ母親」が分母になるのか、「娘自身」が分母になるのかというトリックがあったわけですね。
終わりに
できるだけ分かりやすく書いてみましたが、情報として「女の子がいる」というものと「実際に女の子を連れてくる」というのはイコールのように見えるので最初はどうしても納得できないと思います。
でも、考えてみると確かに分母が微妙に違うことに気づけるので、ぜひ頭の体操として覚えておくと誰かにだされた時にドヤ顔で回答できると思います。