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【漫画】正直不動産の1話:敷金礼金泥棒編だけで分かるおもしろさ

正直不動産?

『正直不動産』は、大谷アキラによる日本の漫画。『ビッグコミック』にて2017年12号から連載。
『クロサギ』の夏原武が原案を手掛け、客と業者の情報格差にスポットを当て不動産業界の闇に切り込む作品。

これがおもしろい。タイトル通りで、口がうまい優秀な不動産営業がある日「正直なことしか言えなくなる」という話。

第一話のストーリー(ネタバレ)

「敷金礼金泥棒」というタイトルで、お客さんは初めての一人暮らしの若い女性と付き添いできた父親。
二人は内見を済ませた上で安くていいところが見つかったと契約する気満々。面倒を見ていた不動産屋の新人女性が初めての契約締結ということでその優秀営業マンにも立ち会ってもらうも「こんなクソみたいなオーナーの物件には金をもらっても住まない」と口を滑らせてしまう。

どういうことかというと

  • 備考欄にあった交代多しの文言が気になり調べるとたった1年に4度も入居者が変わっている
  • オーナーが悪徳で入居者に嫌がらせ(ストーカーを装う)をするケースがありそれが理由と考えられる
  • 玄関に安っぽいカーペットを敷き、それを入居者に交換させることで原状復帰が不可能と言い張り敷金も回収される

それを話したくもないのに話してしまい、心の中で(あと3秒黙ってたら契約だったのに)と思いながら「それを分かった上で嫌がらせに耐えて暮らすっていうならかなりお得な物件だけどな」と続けて話します。父親はブチ切れ、「二度とこの不動屋さんには頼まない」と行って立ち去ります。

優秀営業マンは自分が嘘をつけなくなりこれでは食っていけないと落ち込みますが、さきほど怒って帰った父親から「オーナーの悪事を黙っていれば不動産会社には仲介が入ったのに正直に真実を伝えてくれたことに感謝しています。改めて部屋探しのお願いがしたい」と連絡があります。

その電話を受けて、新人女性は「不動産の営業になってよかった」と喜ぶも、本人は「嘘がつけない営業なんてこれからどうなっちまうんだ」と頭を抱える。ここで一話が終わります。

おもしろい

どの仕事にも通じると思っていて、相手がプロではない場合は「正直に言いすぎない」ことがポイントだったりしますよね。あまり言いすぎても相手は分からないし不安に思ったり。

そんなことを思いながらも、相手が気付かないところも先回りしてケアしてあげるのもまたプロフェッショナルの側面。

正直に仕事をする難しさもしっかり書き切る様がリアルで、ドキュメンタリーに似たおもしろさがあります。ちなみにドラマ版もあるので

読むのが苦手な方はこちらもおすすめです。