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【バクマン/名シーン】91話"票と表"の感想 : 墓前に掲げるコマが唐突で泣ける

はじめに

『バクマン。』は、原作・大場つぐみ、作画・小畑健による少年ジャンプの作品で、二人の少年がコンビを組んで漫画家を目指していく道のり・その活動をリアリティたっぷりに描いた内容。

その作品の中で、91話では「疑探偵TRAP」「走れ!大発タント」ではなし得なかったことを達成するシーンがあるのでそれのネタバレありの感想です。尚、単行本では11巻にあたります。

90話~91話

一つ前の90話である「芸術と商品」の中にて「完全犯罪等(PCR)」と作品のタイトルをつけ、それらを担当編集者の服部さんは「完璧な原稿だ、タイトルも主人公の名前も良い。そして絶対人気を獲る!」と絶賛。真城最高は「はい、一話目のアンケートで絶対一位を獲る。読者の人気を獲る事、それだけに持てる力の全てをぶつけた原稿です」と返し、横で聞いていた高木秋人はニヤッとしたところで終わります。

そこから91話では、実際に一話が公開されてアンケートがカウントされるシーンに。
そして明け方の4時半に服部さんが二人の元にかけつけ、「ダントツだ。2位に150票差以上差をつけて1位」と報告し、真城は涙を流しながら両手を突き上げます。その喜び具合に高木は「おう、やったな」と驚きながら返答。

すると冷静になった真城は「そのアンケート表もらえませんか?」と質問。服部は渡してはいけないことになっているので見て写す分には構わないが...と返し、「一位取った記念に欲しいって事か?」と問うと「いえ、見せたい人が」と真城。
すると服部は「それじゃ余計ダメだ。他の作家さんの順位も記してあるんだ、人に見せるものじゃない」と返し、高木は『そうか亜豆に・・』と真城が彼女に見せたがっているんだと理解します。

そこを邪推した高木が「自分達のところだけ写メって・・ダメですよね?」と割って入りますが真城は「じゃあ一緒に来てもらえませんか?」と質問。服部は理解できないまま「良いだろう、行こう」と移動をすると・・・

真城は亡き漫画家であるおじさんのお墓の前にアンケート結果の表を開いて見せるシーンがぶち抜きの一コマで描かれます。吹き出しには『おじさんが獲りたかった、おじさんが一度も獲れなかった、週刊少年ジャンプの読者アンケート1位だ』という心の声。

それを見た高木は「おじさん喜んでいるだろうな」と泣きますが、真城はニヤリとしながら「いや、北斗の拳が大人気の漫画の時は700表以上で1位だ、とか言ってな」と茶化すと服部さんは「そんな大人気マンガになり、真の1位になった時、また来ればいい」と締めました。

感想

「見せたい人」とあくまで生存しているようなニュアンスで描かれているので、読者である私も「記念に亜豆に見せるんだろうな」と思っていましたが、なるほど...。要は初期の頃から目標にしていた「読者アンケート1位」をおじさんに報告する、というまさに王道の流れだったんですね。この唐突な大割のコマと、後ろから真城を描いて顔だけを別アングルで入れ込む構図には感激しました。

また、同話では亜城木ペアに差をつけられた秋名愛子が「書き直します!まだ入稿していないところは全て、新妻さんが書き直しのきくところ全て!」と燃え、それを港浦は恐る恐る新妻に伝えるも「秋名さんがもっと面白くすると言ったんですね、ラジャーです」と即答で原稿を笑顔で破るという熱いシーンもあったり。

つくづくバクマンはヒューマンドラマとしておもしろい...。

終わりに

フィクションとは言え、才能ある若者が努力をおしまず結果を出しているシーンには見ていて何か背中を押されるものがあります。
そういう意味で、この作品は子供だけでなく大人が読んでも楽しめる名作ですね。